違法民泊と違法申請

20190204_注意書き

皆さん、こんにちは(^^)
2月なのに暖かい毎日が続いて心配になりますね。今から花粉症が心配になります。
さて、冒頭の画像は去年の10月か11月頃からだったと思うのですが、大阪市の保健所で掲示されるようになりました。行政書士以外の代理人が民泊等の申請にあまりに多く来るものだから、行政書士会?からお願いがあったようなことを聞いた気がします。最近では申請時に代理申請する場合は依頼人との関係を確認されます。

意外と知られてませんが、役所はどうしてこのような事をしているのでしょうか。
その理由の前に合法民泊と違法民泊、違法申請との違いについて触れておきましょう。現在、民泊の営業を勝手に行うことは出来ません。去年、住宅宿泊事業法が施行されたのに伴い、旅館業法の許可を得るか、特区民泊の認定を得るか、住宅宿泊事業法の届出をしない限り国内で民泊を経営できません。これらの手続きを踏まえて営業をしている民泊を合法民泊と呼んでいます。言い換えると、それら手続きをしないで営業している民泊を違法民泊と呼んでおり社会問題になっているのです。

大阪市では違法民泊撲滅チームを結成しており、今まで多くの民泊物件を閉鎖又は合法民泊に移行させております。今年6月に開催されるG20大阪サミットに向けて本気で違法民泊ゼロに取り組んできた効果でしょう。違法民泊については多くの報道がされてきましたし、一般市民の方にも浸透されていると思いますが、我々行政書士にとって違法民泊と並んで最も恐れているのが違法申請なのです。

行政書士法

第一条の二 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
2 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。
第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。以下略
行政書士法では上記のように法律で定められており、要約すると行政書士は報酬を受けて官公署に提出する書類を作成することを業としています。行政書士以外の者がこのような行為をすることは行政書士法違反になるのです。役所が代理人を窓口で確認するのは、代理人の権限の無い者が違法な申請をしていないか確認するためだったのです。
 
ところが民泊申請では、あからさまに不動産屋、リフォーム業者、民泊管理業者がお構いなしに民泊申請を代行して保健所にやってくるのを見て苦々しく思ってました。恐らく行政書士法の存在を知らないで悪気なくやってるのでしょうが、ハッキリ言って違法です。メチャクチャ多いです。民泊だけじゃなく色々な許認可でも業者が代行してやってることも多いです。行政書士としてはかなり迷惑です。
 
行政書士は業際について他士業と色々揉めてる印象があるかもしれませんが、行政書士が業際問題で圧倒的に不利益を被っているのは素人による違法申請なのです。日本行政書士会連合会は、一般市民に行政書士のことをもっと知って貰おうと努力しているのは分かってますが、それと同時に上記行政書士法の周知を徹底させないとダメでしょう。行政書士法についてもっともっと広告等で周知運動をするべきと考えます。
 
もっと酷いのは行政書士法に抵触するのを理解しながら違法申請を行っている業者です。法律では「報酬を得て・・・」と書いているので、無料サービスの一環としてやってますとドヤ顔で言い訳をする違法申請者。仮に「役所の申請だけ無料でやって下さい。」と言ってもやらないですよね?リフォーム代とか別名目の代金に上乗せしてるだけでしょ?それは無料ではなく抱き合わせでやってるだけ。これは僕に言わせれば違法申請ですよ。
 
そもそも、第十九条で「業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。」とされています。無料だろうが反復・継続して事業の一環として行っていれば行政書士法違反なのです。申請書だけではく、申請書に添付する図面等の代理作成も行政書士法違反なのです。条文にちゃんと明記されてますよ。万が一、行政書士以外の者がしたこれら申請について問題が生じても業者は責任を絶対に取ってくれません。すべてあなたの自己責任になるのです。
 
第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 ~ 略 ~
二 第十九条第一項の規定に違反した者
違法申請の罰則は大変厳しく、例えば許可なく民泊を始めた場合の旅館業法違反の罰則より厳しいものになってます。個人的には行政書士法違反の業者を次々懲役・罰金に処して厳しく罰してくれれば、行政書士の仕事は今の10倍くらいにはなるんじゃないと思ってますよ。現実問題として懲役・罰金は少々のことでは無理があるとは思いますが、行政書士会全体の問題として違法申請について取り組んで欲しいと思います。

あと、行政書士試験の法令科目に行政書士法を復活させてもいいんでないですか?
 
 
 
事務所看板BIG
大阪かがやき行政書士事務所では、合法申請で合法民泊をお考えのオーナー様の民泊申請のお手伝いをしています。大阪市で民泊申請をお考えの方はお気軽にご相談下さい。夜遅くの打ち合わせや土日祝の対応もしております。
 
 
    日記

    前の記事

    新年賀詞交歓会
    日記

    次の記事

    行政書士記念日